賞作品発表
多数のご応募ありがとうございました。
平成20年11月12日(水) 岡山県岡山市(桃太郎アリーナ)で行われました、第65回記念全国老人福祉施設大会≪岡山大会≫にて、平成20年度 全老施協広報コンテストの受賞作品が発表・展示されました。 同開会式式典では各部門最優秀賞の授賞式が行われ、賞状及び副賞が授与されました。
受賞施設一覧・総評、リーフレット(PDFファイル)は下記参照ください。
介護老人福祉施設長生園『ほげほげ』
特別養護老人ホーム江戸川光照苑『ふれあい通信』
【総評】 東北福祉大学教授 岩渕 勝好
応募総数 158作品。最優秀賞の特別養護老人ホーム養徳園『ようとく園』(鹿児島県)は、読みやすい紙面と充実した内容が審査員全員から高く評価された。利用者が書いた題字は人生の味がある。全体に字が大きく、レイアウト、カット、色彩も優れている。表紙のお花畑をはじめ写真の使い方が大胆で、アングルを工夫しながら利用者にピントを合わせ、無理に笑わせていない。
利用者の半生を聞き書きしたり、利用者がセピア色のコラムで青春時代を振り返ったり、利用者が楽しめるコーナーが多い。昨年の優秀賞を報じた地元紙を再録して広報委員会のメンバーを紹介するなど、情報発信力もある。
優秀賞の介護老人福祉施設長生園『ほげほげ』(茨城県)は、題字そのままに“心おきなく”利用者もスタッフも茨城弁を使って楽しんでいる。二大イベントの「ほげほげ祭」と「敬老祭」を特集。進行台本よろしくコマ撮り写真、コメント、吹き出しで舞台裏を紹介し、「実録!もうひとつのほげほげ祭」「地域から400人超が来園!!」とドキュメントタッチ。一方では公民館の清掃ボランティアを「必殺奉仕人」「箒で斬る!浮世の汚れをたたっ斬る」「雑巾で斬る!日頃の成果を見せる時がきた」などと劇画タッチで描く遊び心が笑いを誘う。素朴な感じで利用者目線を重視しているので読みやすい。
優秀賞の特別養護老人ホーム江戸川光照苑『ふれあい通信』(東京都)は、字が大きくて読みやすく、16頁建で情報量が圧倒的に多く、完成度も高い。コストや人手の面でなかなか真似ができない施設もあるのではないか。熱心に取り組んでいるのが専門誌にも紹介されたアニマルセラピー。さらに、「事故と苦情の窓」コーナーを常設して利用者への情報公開と職員の意識改革を促している。このほか、災害時のエコノミークラス症候群など内容も充実している。
デザイン賞の特別養護老人ホーム王寿園『かもめのたより』(愛知県)は、淡い色調、カット・吹き出しが評価された。企画賞の特別養護老人ホームエコトピア酒々井『かなえ』(千葉県)は厨房の食材、調理法、機器を取り上げ、施設名にふさわしく、コンパクトでエコな4頁の紙面がいい。アイディア賞の特別養護老人ホーム悠々『ひなたぼっこ』(鹿児島県)は、行事やユニットの紹介を小さなコマごとにまとめたユニット紙面が評価された。佳作の特別養護老人ホームあさひ園『あさひ』(熊本県)は、写真中心で見やすく構成されている。
ホームページ部門 (応募総数52件)
『特別養護老人ホーム千木園』 http://www.sengi.jp/sengien/
『特別養護老人ホームきららの杜』 http://www.kiraranomori.or.jp/
『富岡市特別養護老人ホーム妙義』 http://www.myogi.or.jp/
『特別養護老人ホーム田平ホーム』 http://www.tabira-home.or.jp/
【総評】 社団法人シルバーサービス振興会 高橋 望
5回目を迎えたホームページ部門への応募は総数52作品。審査の基準は「実用性(コンテンツの充実度、更新頻度)」「デザイン(画面の見やすさ、可読性)」「情報性(情報の内容、コミュニケーション度)」を中心に選考した。ホームページの重要な要素である「誰もが利用しやすい環境(アクセシビリティ)」については可読性として考慮した。
最優秀賞は、『特別養護老人ホームほほえみの園』(宮崎県)。各ページには数多くの写真が掲載されており、豊富な情報で施設の日常が良く伝わってくる。例えば「厨房通信」では毎日の献立が写真入りで紹介されるなど、わかりやすく伝える工夫が随所に見られる。また「ショートステイ空室情報」は頻繁な更新が必要で大変手間のかかるコンテンツだが、最新の情報が提供されていることに加え、携帯電話でも見ることができる便利さが高く評価された。家族に近況を紹介する「家族専用ページ」も親切で喜ばれる内容。
優秀賞の1つは『特別養護老人ホーム千木園』(石川県)。すっきりとまとまったレイアウトになっている。施設の様子はブログを中心に紹介されており「食事ブログ」や「事務ブログ」があり工夫されている。また「ご意見受付書」では、利用者や家族からの意見が公開されており、施設の対応までを明記した透明性も評価された。
優秀賞のもう1つは『特別養護老人ホームきららの杜』(茨城県)。大きな文字で見やすさを意識した構成になっている。コンテンツは「介護保険講座」や「お試し体験」など、利用者目線での情報が多く発信されている。「採用情報」にはスタッフインタビューもあり、就職希望者への細やかな配慮が伺える。
企画賞は『富岡市特別養護老人ホーム妙義』(群馬県)で、空室情報、献立、活動速報の3点に情報を絞ったトップページが特徴的。第一階層を関心が高いと思われる情報の提供だけに割り切り、他を階層化することで、シンプルでわかりやすいページを実現している。
アイデア賞は『特別養護老人ホーム田平ホーム』(長崎県)。空室情報や情報公開、活動紹介、各種のブログに加え、施設内で使われている方言をエピソード付きで紹介した「言葉の滴」、職員が考えていることを交代で綴った「職員の想い」、丁寧な説明に加え苦情解決実施要綱も掲載した「苦情対応」など、多様な切り口から情報発信を試みる発想が評価された。
全体を通した総評であるが、どれも読みやすい画面構成への工夫がこらされており、努力の成果があらわれたホームページが揃ったと感じた。ただ、アクセシビリティへの対応については遅れ気味な状況も見受けられた。福祉施設のホームページは特に、高齢者や障害者にも利用しやすい環境を整えることが必要であることを再確認して欲しい。これらの対応は目に見えない部分も多く、特に外部に制作依頼をしている場合には、業者任せになりがちな実態もある。そのような場合でも例えば、文字の拡大、音声読み上げ、色覚特性への配慮、ウェブ標準規格への対応など、環境づくりへの要望をしっかりと伝えることが大切だと思う。 利用者のために苦労して作った役立つ内容のコンテンツであっても、その情報にたどり着く前に締め出されてしまったり、正しく伝わらないような状態では十分な効果は期待できない。アクセシビリティの向上は今後ますます重要な課題になると考えられ、内容を充実させる努力に併せて、より一層の取り組みを進めていって欲しい。
施設パンフレット部門 (応募総数43件)
応募総数 43作品。パンフレットは毎年作り変えるものではないのだから、新しく製作した場合はもとより、継続して使っている場合もあきらめずに応募してほしい。外部の専門業者に任せるケースもあり、施設職員の手作りばかりではないが、少なくともイメージやサービス内容については法人の理念やセンスが問われる。
最優秀賞の特別養護老人ホームあいふるの里『あいふるの里』(愛知県)は、シンプルで見やすく、色調、デザインもいい。特に季節の花をアンダーライン代わりにあしらったレイアウトのセンスが光っている。表紙を開くと切れたはずの花瓶の花が下からも現れて繋がるという楽しい趣向。数多くのグループ施設紹介、デイサービスの一日、四季のお祭り一覧表に小さなカット写真を多用した手法もコンパクトでわかりやすく印象的である。ただ、施設内のフロア図は説明の字が小さすぎて高齢者には読みにくい。
優秀賞の特別養護老人ホーム犬鳴山荘『犬鳴山』(大阪府)は、ハードな上質紙を使い、濃紺の地に白抜きの小さな字で施設名を記載し、左右から内側に折り込むホテルのパンフレットのような高級感あふれる表装。中を開くと写真中心のビジュアルな説明がわかりやすい。
アイディア賞の特別養護老人ホームサンライフ彦坂『サンライフ彦坂』(岐阜県)は、グリーンを基調にひまわりを描いたオリジナルのクリアファイルを作りパンフレットを入れて渡している。外来者には持ち運びや保存に便利で、法人にとってもパンフレットを有効に利用できる。中身は施設や提供する介護サービスをコンパクトに説明している。
企画賞の特別養護老人ホーム新山荘『新山荘』(広島県)は、温かみのあるデザインで、施設の内部と利用者の様子を見開きの大きな鳥瞰図のようなイラストでくわしく描いている。洗濯する職員、編み物をする入居者、3人で楽しそうに食事するグループ、談笑するグループ、打ち合わせする職員たち、体操したり器具を使ってリハビリしたりマッサージしたりするコーナー、畳の部屋で正座してお茶を飲む和服の女性、読書する人々、パソコンを教わる高齢者、訪問して一緒に遊ぶ子どもたち・・・。イラストのレベルが高く、丁寧に描いているため、見ているだけで施設を見学した気分になってしまう。分かりやすく楽しいパンフレットの見本といえよう。