受賞作品発表
多数のご応募ありがとうございました。
平成19年10月22日(月) 岩手県盛岡市(岩手県民会館)で行われました、第64回全国老人福祉施設大会≪岩手大会≫にて、平成19年度 全老施協広報コンテストの受賞作品が発表・展示されました。 同開会式式典では各部門最優秀賞の授賞式が行われ、賞状及び副賞が授与されました。
受賞施設一覧・総評、リーフレット(PDFファイル)は下記参照ください。
特別養護老人ホーム王子光照苑(東京都)『ふれあい通信』
特別養護老人ホームかたふち村(長崎県)『はるか』
特別養護老人ホーム養徳園(鹿児島県)『ようとく園 夏(秋・冬・春)だより』
特別養護老人くわのみ荘(熊本県)『あばかん』
特別養護老人ホームあつかし荘(福島県)『あつかし荘だより』
特別養護老人ホーム久慈平荘(岩手県)『久慈平荘』
横瀬デイサービスセンター(大分県)『いきいきニュース』
【総評】 東北福祉大学教授 岩渕勝好
応募作品は197点(前年比+66点)で、年々増えている。地域の介護拠点として関係者や住民への情報発信に取り組んでいる様子は心強い限りだが、内容的には措置時代の感覚を引きずっているような紙面も散見される。全般的にもう一段の意識改革と創意工夫が必要だ。
最優秀賞の『ふれあい通信』は「特別養護老人ホーム王子光照苑」(東京都)の広報紙で、昨年のホームページ部門最優秀賞に続いて2冠を獲得した。オーソドックスな紙面づくりで新味はないが、字が大きくて読みやすく、身近な情報が多い。毎月発行14㌻建てという実力は、全編に散りばめられた広告と、後援会費(個人会員2000円)と、多くのボランティアに支えられているようだ。大都市の強みである。
優秀賞の『はるか』「特別養護老人ホームかたふち村」(長崎県)は、入所者の生き生きした表情を鮮やかにとらえたが、背景と文字を重ねすぎて読みにくい。同じ優秀賞の『ようとく園』「特別養護老人ホーム養徳園」(鹿児島県)は、居酒屋のテーブルを囲む入所者の表情に焼酎王国の呑みっぷりがうかがえる。
デザイン賞の『あばかん』「特別養護老人ホームくわのみ荘」(熊本県)は大判四つ折りの変わったサイズで色合いも美しい。企画賞の『あつかし荘だより』「特別養護老人ホームあつかし荘」(福島県)は、扱いにくい苦情解決委員会第三者委員のインタビューと、若手職員座談会を正面から取り上げた姿勢は評価できる。費用を節約しつつ情報量を多くしているが、詰め込みすぎではないか。佳作の『いききニュース』「横瀬デイサービスセンター」(大分県)も単色で費用をかけずにきちんと情報を伝えている。
盛り上がったのは「どんど晴れ賞」のネーミング。『久慈平荘』「特別養護老人ホーム久慈平荘」(岩手県)の表紙写真は、近景が乱舞するウミネコ(八戸・蕪島)で、シャッターチャンスもピントもぴったり。集合した入所者の表情は生き生きして楽しく、遠景の真っ赤な鳥居と階段は迫力とシンメトリーの奥深さ。入賞はすぐ決まったが、特別賞でも写真賞でも気が利かない。その時、「応募施設は岩手県、今年の大会も岩手県だから、岩手つながりでNHK朝の連続ドラマ『どんど晴れ賞』でどうだ」という知恵者の声。「意味が“めでたしめでたし”で語感もいい」という次第で、今年限定のどんど晴れ賞が誕生した。
ホームページ部門 (応募総数68件)
デイサービスセンター美原(静岡県) http://www.mihara-1.com
特別養護老人ホームあい寿の丘(愛知県) http://www.aijyu.or.jp
デイサービスセンター丘の家(長崎県) http://www.seihikai.jp/
特別養護老人ホームあさひ園(熊本県) http://www.kyoujukai.jp
【総評】 社団法人シルバーサービス振興会 高橋 望
福祉・介護サービス分野においても「情報公開」が大きな流れとなる中、今年で4回目を迎えたホームページ部門への応募は年々多くなるとともに、各作品は情報提供への創意工夫が伺える質の高い出来栄えであった。応募総数68作品のうち、第一次審査で選出された10点を一般に公開し自由投票を行った。この結果を参考に最終審査を実施し、最優秀賞1点、優秀賞2点、特別賞2点を決定した。 審査の方法は「デザイン、コンテンツの充実度、斬新さ」に加え、「コミュニケーション性、更新頻度」などの要素も加味して選考したが、特に今回は、デザイン面の「レイアウトのわかりやすさ」だけでなく「可読性」を考慮して審査を行った。
最優秀賞には審査員全員が『シンフォニー』(北海道)を選んだ。施設内容を伝えるコンテンツが充実しており各種行事や取り組みの情報量が豊富なうえに、施設の様子もユニット毎に紹介されており、わかりやすい。特に「ショートステイ空室情報」は随時更新されており、利用者にとって見やすく機能的な点が高く評価された。一方で、施設や福祉関連の新聞記事の紹介もあり便利だが、一部に内容を読めない記事もあり残念であった。
優秀賞の1つは『デイサービスセンター美原』(静岡県)。すっきりとしたわかりやすいレイアウトとなっており、「職員紹介」では顔写真を見ることができるなど、初めて施設を利用する方にも違和感が少なくなるよう工夫されている。また、活動内容紹介も充実しており、一般投票でも人気が高かったが、今後は施設の空き情報などについても、もっと更新頻度を高めればより素晴らしいものになるのではないかと思う。
優秀賞のもう1つは『あい寿の丘』(愛知県)。ほのぼのとした暖かみのあるページに仕上がっており、なかでも「スタッフ紹介」では顔写真のほかに各職員のコメントも掲載され、人柄がイメージしやすく親しみが持てる。「スタッフ日記」や「施設長ブログ」もあり、施設内の雰囲気が伝わってくるともに、施設の人気メニューのレシピ紹介などもあり、楽しく見ることができる。
特別賞の『デイサービスセンター丘の家』(長崎県)は、積極的に情報公開に取り組む姿勢が評価された。複数のブログによって日々の活動状況もよくわかるうえ、特に「職員募集」は秀逸で、給与支給概要のほか社宅概要を見ることができるなど、見る者の立場にたった情報提供が行われている。
もう1つの特別賞は『あさひ園』(熊本県)で、当施設は昨年度も優秀賞を獲得している。内容の充実度、豊富な情報の提供を維持しながら、バナーを活用した見出しの工夫などにより、初めて見る人でもわかりやすい構成になっており、「お食事カレンダー」での毎日の食事やレシピの紹介も充実している。
最後に全体の総評であるが、新しい情報発信ツールであるホームページにおいても、読み手を意識した使いやすさ(ユーザビリティ)に対しては相当に配慮されてきている。一方で、文字の拡大や音声読み上げなど、高齢者や障害者を含め誰もが利用しやすい環境(アクセシビリティ)への対応は遅れ気味な現況にある。より多くの人へ情報を発信し、地域と施設を繋ぐ役割を担うホームページのデザインは、この2点が満たされることによって大きな効果を発揮するものであり、特に「アクセシビリティの向上」のような直接には目に見えにくい部分についても、今後はより積極的な取り組みが求められていくべきものだと思う。
施設パンフレット部門 (応募総数71件)
特別養護老人ホーム白寿荘(長崎県)『白寿荘 総合パンフレット』
特別養護老人ホーム大江苑(富山県)
パンフレットは施設の顔だけに、それぞれの理念、薀蓄、センス、費用を結集し、多彩な表情を見せる力作が揃った。応募作品は 71点(前年比+14点)。 最優秀賞の『特別養護老人ホームペーパームーン』(兵庫県)は、組織票がほとんどなく一般投票の人気が高かった。表紙のイラストは、大きな黄色い月と青い空の配色、さらに「まあるく、まあるく、いきましょう。」のキャッチコピーが絶妙なバランスとコントラストであたたかい雰囲気を醸し出す。1枚めくるとウサギが抱える四つ葉のクローバーが微笑みを誘う。また、「よい介護とは、特別なやり方をするのではなく、普通のやり方をするために特別の工夫をすること」というポリシーを色違いの見開きページで見せられ、ほとんどの審査員が「これしかない」。「ご縁を大切に、あなたの心の月になりたい」「銭湯の気軽さと温泉の開放感」「なるべく普通のトイレを利用していただきたい」といった魅力的なコピーと楽しそうな写真が安心と遊び心を同時に感じさせる。
優秀賞の『特別養護老人ホーム白寿荘』(長崎県)は、シマフクロウのイラストをイメージキャラクターに使ったのが奏功。ふれあい広場は、機能訓練やレクリエーションだけでなく、保育園・小中学校など地域の交流スペースにも活用している。優秀賞の『特別養護老人ホーム大江苑』(富山県)は、入所者はもとより職員の笑顔もくったくがない。
アイデア賞の『特別養護老人ホームいいたてホーム』(福島県)は、施設名を伏せておいて最後に表示する手法。家族と家庭にこだわり、家のイラストを見開くと内部の様子が見えてくる趣向。
企画賞の『桜山荘通所介護事業所』(沖縄県)は、サービス選択フローチャートを使い、さまざまな介護サービスをどう利用すればいいのか、利用者がイエスノーを選択すれば自然にたどり着ける。ただ、こまごましていて迷子になる恐れもなしとはしない。